入れ歯が合わなくなるのはなぜ?

歯ぐきやあごの骨の形は、時間とともに少しずつ変化します。残っている歯の状態、体重、噛み合わせが変わることもあり、作った当初は合っていた入れ歯が、痛む、外れやすい、噛みにくいと感じるようになる場合があります。

入れ歯の人工歯も使ううちにすり減り、噛み合わせの高さや力のかかり方が変わります。見た目には壊れていなくても、お口に合わなくなっていることがあるため、我慢して使い続けないことが大切です。

こんな症状は調整のサインです

  • 食事のたびに歯ぐきが痛む
  • 話す、笑う、あくびをすると外れる
  • 片側だけで噛むようになった
  • 入れ歯の下が赤い、傷が治らない
  • 食べ物が入れ歯の下へ入りやすい
  • ひび、欠け、金具のゆるみがある

痛む場所や外れ方には原因があります。入れ歯だけでなく、歯ぐき、残っている歯、噛み合わせを一緒に確認します。急に合わなくなった場合は、残っている歯や粘膜に変化が起きていないかも診査します。

入れ歯について丁寧に説明する歯科医師
現在の入れ歯とお口の状態を確認し、改善方法を考えます。

自分で削ったり曲げたりしないでください

市販の道具で削る、金具を曲げる、合わない部分を接着するなどの調整は、かえって噛み合わせを崩したり、修理を難しくしたりすることがあります。痛い場所がわかる場合も手を加えず、そのままお持ちください。壊れた場合は破片も含めて保管しましょう。

入れ歯安定剤は一時的に役立つ場合がありますが、量が増え続ける、使わないとすぐ外れるときは、入れ歯やお口の状態を確認する必要があります。

毎日のお手入れの基本

入れ歯を外して洗う

食後は入れ歯を外し、流水下で入れ歯用ブラシなどを使って清掃します。落とすと割れることがあるため、水を張った洗面器やタオルの上で扱うと安心です。歯みがき剤には研磨剤が含まれる製品があり、入れ歯を傷つける場合があるため、専用品を使用しましょう。

熱湯と乾燥を避ける

熱湯は入れ歯を変形させることがあります。洗浄剤は製品の説明に従って使用し、保管方法は入れ歯の材質と歯科医師の指示に合わせます。入れ歯洗浄剤だけでは汚れを十分に落とせないため、ブラシによる清掃と組み合わせます。

お口の中も清潔に

残っている歯、歯ぐき、舌もやさしく清掃しましょう。部分入れ歯の金具がかかる歯は特に汚れが残りやすいため、形に合わせた磨き方を確認します。

保険と自由診療の違い

保険の入れ歯は使用できる材料や設計に決まりがあります。自由診療では、薄さや温度の伝わり方に配慮した金属床、金具が目立ちにくい設計などを検討できます。ただし、どの方法もすべての方に適するわけではありません。残っている歯、噛む力、修理のしやすさ、費用を比較して選びます。

作り直す前に、まず状態を確認します

内面を調整する、噛み合わせを整える、修理することで改善できる場合もあれば、お口の変化に合わせて作り直したほうがよい場合もあります。入れ歯は完成して終わりではなく、使いながら調整し、定期的にお口全体を確認することで、より快適に使い続けやすくなります。

新しい入れ歯には慣れる期間があります

新しい靴と同じように、入れ歯も最初から何でも快適に噛めるとは限りません。はじめはやわらかい食品を小さく切り、左右でゆっくり噛むことから始めます。発音しにくいときは、短い文章を声に出して読む練習が役立つ場合があります。

ただし、強い痛みや傷を我慢して使い続ける必要はありません。痛む位置を確認できるよう、可能であれば受診前に少し装着してお越しください。調整を重ねながら、食事や会話のしやすさを整えていきます。

就寝時の扱いも確認しましょう

就寝時に外すかどうかは、入れ歯の種類、残っている歯、噛み合わせによって異なります。一般には粘膜を休ませ、誤飲などを防ぐために外すことがありますが、自己判断せず歯科医師の指示に従ってください。外した入れ歯は清掃し、乾燥や変形を防ぐ方法で保管します。

気になる症状は、早めにご相談ください

症状や治療方法には個人差があります。掲載内容は一般的な説明です。実際の状態と治療の選択肢は、診査後にわかりやすくご説明します。

入れ歯・義歯の診療ページを見るVIEW TREATMENT ↗

参考情報

日本補綴歯科学会「補綴歯科なんでも質問箱」
日本補綴歯科学会「入れ歯の清掃」